Top > 12不動産賃貸・売買仲介業情報 > 建物の不法行為に関する基準

 毎日新聞が伝えたところによりますと、建物の不法行為に冠する解釈基準を初めて示す判決が出されました。

これは、マンションや住宅の欠陥がどの程度であれば、建築会社や建築士が賠償責任を負うかが争点となった訴訟の上告審判決で、最高裁第2小法廷(今井功裁判長)は6日、基礎や構造にかかわるような重大な欠陥ではなくても「建物としての基本的な安全性を損なう欠陥がある場合」との基準を初めて示したものです。

その上で、責任の範囲を狭くとらえた2審・福岡高裁判決を破棄し、審理を同高裁に差し戻したものです。

 今後、設計・施工者の注意義務を提示したもので、被害の救済の幅を広げる判断となることが予測されます。

 訴えていたのは、90年に完成した大分県内のマンションを購入した元所有者。設計した東京都内の建築事務所や施工した同県内の建築会社とは、直接の契約関係がないため、建築工事や売買の契約に伴う賠償責任(瑕疵(かし)担保責任)ではなく、不法行為責任を理由に賠償を求めていました。

 これまでは不法行為の基準が不明確だったため1審は原告勝訴、2審は敗訴と、判断が割れていました。

 2審は「欠陥の程度・内容が重大で、社会的に危険な建物など違法性が強い場合」のみ不法行為になると指摘。原告側が主張したバルコニーの手すりのぐらつきや壁のひび割れなどは該当しないとして請求を棄却したものです。

 これに対し小法廷は「利用者や隣人、通行人の生命・身体・財産を危険にさらすことがない」状態を、「建物の基本的な安全性」と定義。

 その上で、「建築に携わる設計・施工者には、この安全性を欠かさぬように配慮すべき注意義務がある」と指摘し、義務に違反すれば不法行為責任があると結論付けた。さらに具体例として、転落事故につながるバルコニーの手すりの欠陥を挙げ「(2審のように)建物の基礎や構造に欠陥がある場合に限る理由はない」と念を押したものです。

 今後、差し戻し審で、不法行為といえる欠陥があるか審理します。

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