Top > 36不動産投資 > 不動産バブル再発防止へ

現在、時価約500兆円規模とされている企業保有の不動産をめぐって、官民がそれぞれ検討組織を設立し、地価バブルの再燃を未然に防ぐ取り組みに乗り出しました。

これは、都市部を中心にした地価上昇を受け、低未利用不動産を抱えた企業をねらう買収が増えるなど、今後企業不動産の大規模な流動化が予想されるためのものです。

官民とも、土地転売など不明朗な取引がゆがんだ地価を形成して以前の不動産バブルを生んだとの反省に立ち、不動産の有効活用と実需取引の拡大を通じ、適正な地価形成の環境を整備するものです。

 国土交通省は、学識経験者や企業の不動産担当者らで構成する「企業不動産の合理的な所有・利用に関する研究会」を昨年末に設立、実情の把握や課題の分析を始めました。

地価上昇と企業業績の回復で、「企業の間に安易な投資用不動産の購入が増えた」(同省)と、将来の売り抜けを期待する取引に注意を向けているようです。

 企業不動産の合理的な所有・利用に関する研究会では、取得時と現在の評価額に大きな差があったり、低未利用のまま放置された企業不動産の不透明な実態の把握に努めるものとしています。企業不動産を一定の評価基準で蓄積し、取引の透明化を促す手順などを整備して、3月にも報告書をまとめる方針です。

 一方、民間では企業不動産の流動化を想定し、三井物産戦略研究所や日本土地建物など8社・団体が1月、「CREマネジメント推進コンソーシアム」を発足させた。

 保有不動産を有効活用していない企業は、「企業価値向上」を訴える投資ファンドなどの株主からM&A(企業の買収・合併)の標的にされるリスクが高まっている動きがあるようです。村上ファンドに狙われた阪神電気鉄道は、帳簿上で甲子園球場(兵庫県西宮市)を800万円と低評価に放置。時価との差の大きさを突かれたとされるています。恵比寿ガーテンプレイス(東京都渋谷区)という優良不動産を抱えるサッポロホールディングスの株式を、投資ファンドのスティール・パートナーズが大量に取得したのも同じ狙いがあるようです。

 ただ、企業の多くは社内に不動産専門家がおらず、「不動産の管理・運営に苦慮している」(日本土地建物営業統括本部の石川聡課長)のが実情。コンソーシアムはこうした企業の要請に応え、売却や開発、継続保有などの選択肢を提案したり、人材育成などを行う。企業不動産の有効活用という実需を伴う取引の増大が適正な地価形成につながり、不動産市場の健全な発展を促すとの判断だ。この点でバブル再燃を防ぐ国交省とも共通の認識に立っている模様です。

 ■企業不動産 企業が保有する事業用・非事業用不動産の総称。国土交通省の調べ(平成15年)では、土地の総資産額は1154兆円で、うち法人所有土地は406兆円。法人所有建物の総資産額84兆円を加えた企業不動産の規模は490兆円となる。法人の低未利用土地は、法人所有面積の約12%とされる。

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