リバースモーゲージの上限資産評価額
厚生労働省は21日、返済義務がない現行の生活保護費に代えて、所有する自宅を担保に生活費を貸し付け、死後の返済を義務付ける新たな制度の具体案をまとめました。生活保護の対象者のうち、収入がない65歳以上の高齢者で、土地・建物の評価額が500万円以上である世帯に適用されるもの。貸付総額の上限は資産評価額の7割とし、毎月約10万円ずつ支給する。
「リバースモーゲージ」と呼ばれるこの制度は、平成19年度から導入される予定で、歳出・歳入一体改革の柱である社会保障費縮減策の一環。約1万世帯が対象になる見通しで、厚労省は年間、生活保護費の約100億円の圧縮を見込んでいます。
例えば、自宅の土地・建物の評価額が1000万円の場合、貸し付けられる生活費の総額は700万円までで、これを毎月約10万円ずつ、70カ月間にわたり受けることになります。
すでに受けている生活保護費は打ち切られ、貸し付け分は利用者の死亡後に、担保を売却することで精算される。生前には返済の負担がない。金利は長期プライムレート(最優遇貸出金利)並みに抑える。また、貸し付けが満額に達すれば、再び生活保護費の支給に切り替えられる。
生活保護を受けている65歳以上の高齢者は約46万5000世帯(平成16年度)で、持ち家がある者は5%ほど。このうち「土地・建物の評価額500万円以上」の基準に該当するのが1万世帯ほどだとみられています。
厚労省によると、平成18年度予算における生活保護費は、国と地方を合わせ約2兆6888億円に膨らんでおり、リバースモーゲージ制度の導入により国の負担分だけで年間約100億円が削減されたとしても、圧縮は小幅にとどまります。