不動産各社最高益競う
地価の持ち直しを追い風に、不動産各社の業績が好調です。住宅分譲価格の引き上げに成功し、オフィスビルの空室率も極めて低くなってきています。また、地価反転を後押しした不動産ファンド会社が投資規模をますます拡大し、銀行が不動産融資を増加させるなど関連市場も熱を帯びてきています。「バブル再来」への警戒感も少しずつ高まり、金融当局には不動産融資の監督を強化する動きも出はじめています。
三井不動産、三菱地所、住友不動産の不動産大手3社の収益の柱は、オフィスビル賃料とマンション分譲だ。そのいずれも好調で、07年3月期決算では3社とも最高益になる見通しで、連結営業利益は3社合計で4200億円超が見込まれています。
5%割れで貸手優位になるといわれるオフィスの空室率では三井と三菱は1%台前半をうかがう模様。賃料も上昇傾向にあります。都心での新築ビルの開業ラッシュで過剰供給が心配された「03年問題」を完全に乗り越えた形です。
同様に「07年問題」も懸念されたこともあったが、景気回復とともに内外の企業のオフィス需要が強まり、いまやほとんど問題となっていない状況です。
マンション分譲専業の不動産会社ではこのところ、決算予想の上方修正が相次いでいる。
大京は07年3月期の連結当期利益予想を27%上方修正して215億円とした。4〜6月期の粗利益率は前年同期比6ポイント増の21%に改善。
一方、国内の不動産市場を活性化しようと01年に創設された不動産投資信託(Jリート)市場は拡大を続けています。住信基礎研究所の推計では、6月末現在、Jリートと不動産私募ファンドの市場規模は合計で約10兆円。この1年間で1.7倍増。
資金の出し手の多くは、金融機関をはじめとする機関投資家だ。関東のある銀行は自己資金約350億円をJリートで運用している。運用担当者は「今後も都心の不動産市場は拡大する。さらに投資額を増やす」と意気込んでいます。
背景には融資対象となった事業からの収益だけで銀行への返済原資をまかなう貸し出し方式「ノンリコースローン」が銀行業界で浸透し、不動産証券化をしやすい環境が整ってきたこともあるとみられています。
不動産融資の拡大にも拍車をかけている模様です。日本銀行の統計では、05年度の銀行の新規貸し出し(運転資金向け融資を除く)で不動産向けが2割を占めた。これはバブル経済期に並ぶ高い水準。
不動産熱の高まりを受け、金融庁は今年度の金融機関の検査・監督で、金融機関が保有資産のリスクを十分管理しているかどうかを重点的に調べる方針を打ち出しました。